ところが、私はこの偉業の当日の日をまったく覚えていない。それ以上にニュースを見たとかの記憶もない。 しかし、唯一のはっきりとした記憶がある。それは宇宙飛行士が3人焼け死んだ新聞を親せきの家で叔父さんと話し、いろいろ質問しているシーンだ。あれからしばらくそのニュースは火星で事故にあったと思っていたし、小学低学年の頃はアポロ11号の後の記憶だと思っていた。子供の想像力だ。後に調べてみるとその事故はアポロ1号の船内酸素発火起因の地上死だった。ちゃんと存在していた。映画アポロ13でもファーストマンでも描かれている。米東部時間で1967年1月27日18:30の出来事なので、おそらく日本で新聞を見たのは1月28日夕刊か29日朝刊。土日だったんで親せきの家に行っていたんだろう? そしてそれがどうしたと思うが、それ以前の記憶は無いと思っている自分としては「私の人生で一番古い記憶は1967年1月なので4歳2か月」ということになる。これは脳の発達が終わる時期と関係しているらしい。通常は3〜4歳だそうで、平均3.9歳。詳しく言うと、女性は3.4歳で男性は4.0歳だそうだ。いろいろ考えさせられる…… それにしてもあれから50年近く、人類は月に降り立っていない。映画2001年宇宙の旅の公開は1968年。当時、あれだけ科学考証を重ねた映画も2001年に月でモノリスを触っている。当時記憶の無かった私も50歳を過ぎ、あれからどれだけ未来世界を待ちわびていたことか…… しかし、これだけは言える。月面から登る地球の画像には「確かに私はそこに存在していた」のだ。 |