十二ヶ岳
▲1,683m(700-800m)
十二ヶ岳は私の大好きな山である。
その変化に富んだ山は御坂山塊の中でも特にすばらしい。
なだらかな林間コースかと思えばふくらはぎの張る急な登り、突然現れる岩場、鎖やロープを使ったコース、更につり橋まである。
十二ヶ岳を中心に、毛無山と鬼ヶ岳への縦走コースは、眼下に西湖と河口湖を見、その正面には富士山が雄大に聳え立つ。
天気が良ければ、山中湖と本栖湖も望め、富士五湖の四湖、まで堪能できる。
十二ヶ岳をメインとしたコースは、やはり毛無山と鬼ヶ岳をセットにしたコースが考えられる。
1.西湖根場<->鬼ヶ岳<->十二ヶ岳<->西湖桑留尾。
2.文化洞トンネル<->毛無山<->十二ヶ岳<->西湖森下キャンプ場。
ここでは、コース変化に富んだ「鎖場やつり橋」がある毛無山コースを紹介しよう。 |
中央の尖っている山が十二ヶ岳。
その右が毛無山。 |
毛無山を含めた十二ヶ岳のコースは、「最初にどちらの山を攻めるか?」と言う問題がある。
私は「どこでメインのビューポイント」にするかで行程が変わると思う。
毛無山と十二ヶ岳の主なビューポイントは、
1.十二ヶ岳頂上を下に降りた狭い岩場…絶景ポイント。
2.十二ヶ岳頂上…狭く、やや木々で景色がさえぎられる。
3.毛無山頂上…広い絶景ポイント。
と3ヶ所ある。
したがって、行程の前半で大休憩を取るなら、毛無山->十二ヶ岳のコースを取り、行程の後半で大休憩を取るなら、十二ヶ岳->毛無山が良いと思う。
しかし、山歩きの楽しさを満喫したいのなら、毛無山->十二ヶ岳のコースも捨てがたい。
何故なら、鎖場を降りるケースよりも登るケースが多いからだ。(徐々に高度を上げていく楽しさがある)
毛無山(1500m):西湖から1時間半。
十二ヶ岳(1683m):西湖から2時間半。
ここでは、西湖と河口湖の間にある文化洞トンネルを出発し、毛無山に至り、一ヶ岳、二ヶ岳…十二ヶ岳と尾根を踏んでいき、西湖森下キャンプ場を経て、文化洞トンネルに帰るコースを紹介する。
河口湖と西湖を結ぶ境目にトンネルがある。
通称「文化洞トンネル」と呼ばれている。
河口湖側からトンネルを目指すと、トンネル入り口の左側に駐車スペースがあるので、ここに車を駐車できる。
10台以上は楽に駐車できるスペースなので、安心して駐車できる。
駐車スペースからトンネルの左側を見ると、「十二ヶ岳・足和田山」の登山道が確認できる。
この登山道の方向には、現在新しくなったトンネルの前に使用されたトンネル跡がある。
そのトンネル跡を横に見ながら登山道を登り始めると、いよいよ十二ヶ岳への行程の始まりだ。
登山道を10分程度登ると、T型の分岐点に出る。
左に行くと足和田山、右に行くと十二ヶ岳(毛無山)だ。
その登山道を毛無山方面に向かって歩くと、最初は緩やかな登山道が真っ直ぐ続いている。
真っ直ぐだった登山道が曲がり始めると勾配も増してくる。
やや急な登山道を我慢して登ると、再びなだらかで真っ直ぐな登山道に出る。
この場所は秋なら紅葉がきれいで、思わず足を止めてみたくなるだろう。
なだらかな登山道で休憩をしたら、再び登山道は傾斜を増してくる。
しかし足も慣れはじめ、「きつい」と感じさせるほどでもない。
しばらく樹林を歩いていると、笹とススキの開けた場所に飛び出す。
ここで思わず後ろを振り返ると、富士山が大きくそびえ絶景の様相を呈してくる。
登山道は笹とススキの間を縫うように伸びていき、背後に富士山と絶景を抱えながら登り詰めると毛無山の頂上にたどり着く。
毛無山頂上から富士山を見ると、正面に足和田山を抱き、右に西湖、左に河口湖を配した絶景が広がる。
頂上はそこそこ広いので、人がいなければテントスペースも確保できる。
今回は小休止だけにして、後半の変化に富んだコースの備えとする。
毛無山を出発するとすぐに「一ヶ岳」と書いてある標識に出くわす。
そう、ここから十二ヶ岳までは1つ1つ突起を超えていくのだ。
十ヶ岳まではアップ・ダウンも急ではないが、岩場や狭い場所があるので油断をしてはいけない。
景色も樹林の中に入るので展望は望めない。
九ヶ岳を超え、十ヶ岳の登りは急で結構きつく、ふくらはぎが張るだろう。
十一ヶ岳を超えると、眼下にまっすぐ延びたロープが現れる。
このロープはかなり下まで続いているので、一人ずつ降りよう。
複数人数で行った場合、先に降りた人は上からの落石に十分注意すること。
ロープを降りるとすぐに「つり橋」がある。
鉄製の立派なつり橋だが、一人ずつ渡るようにしよう。
つり橋を過ぎると「少し怖いかな」と思えるような鎖場につく。
慌てることなくゆっくりと制覇して欲しい。
ここが十二ヶ岳頂上への入り口だ。
頂上付近の岩場は脆くなっているので、十分足元に注意して登るように心がけたい。
複数人数で行く場合には特に注意を…。
万が一、落石を起こしたら「ラクッ」と大きな声で注意したい。
この注意の呼びかけがなかったら、大きな事故に繋がる恐れもあるので、辱かしがらないこと。
いくつかの急な岩場を抜けるとロープ無しで進める場所に出る。
頂上はもう少しだ。
頂上手前には、西湖へと降りる登山道があるので見落とさないようにしよう。
できれば確認をしておきたい。
そして平坦な登山道を進んでいくと突然、十二ヶ岳の頂上に飛び出す。
頂上はあまり広くないが、そこそこ展望も楽しめ、休憩スペースもある。
小さな赤い「ほこら」が印象的である。
ここで食事を取ると良いだろう。
文化洞トンネルを出発し、約3時間で十二ヶ岳頂上だ。
下山は、一時間半〜二時間を想定しておけば十分だと思われる。
先ほどの下山道を下り始めれば十二ヶ岳ともお別れ。
下り始めてすぐの場所に岩場があり、絶景ポイント。
ここは道に迷いやすいので注意すること。岩場に気を取られると道を見失う。
しばらく進むと森林地帯に入り込み、高度を下げていけば登山道の分岐に出る。
駐車場方面に進むので、ここを左折だ。
途中「通学路」と書いてある標識に出会い、小さな沢を超えると森下キャンプ場に到着する。
キャンプ場のバンガローが見えたら、もう西湖に下っても良い。
西湖湖畔の道路をトンネル方向に進んで、トンネルを超えると出発地点の駐車場に戻れる。
全工程:6時間〜
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